2020年1月の大宮ソニックシティ 大ホールの「舟木一夫コンサート2020」に母親と行ってまいりました。楽しみにしていた父が都合により、行けなくなってしまった代打です。
私の状態はというと、恥ずかしながら、舟木一夫さんの曲は一曲も知りません。
正確には「高校三年生」という曲は知っていましたが、それが舟木一夫だとは存じ上げなかった。父と母がいつも興奮気味に話す「ふなきかずお」の漢字も知らず、舟木のふなが「船」だと思っていた。
ちなみに両親はここ数年、毎年参加中・・・ 去年のツアーも行ってました。
そんな私が初めて参戦した舟木さんのコンサート。結論から言うとすごく楽しかった。充実していた。すさんでいた気分がリフレッシュし、生きる希望みたいなのももらった。
60代、70代~と言わず、おすすめですね。
目次
ジーンズと白セーターの舟木一夫が登場!
15:00開演と同時に幕が上がった。
普通は時間通りとはいけないものだが舟木一夫は時間を守るんだな、と思った(笑) 空席が見つからないくらい座席は埋まっていて、お客さんのマナーが良いからできるんだろう。
照明はブルーを基調に落ち着いた色合い。
衣装を着こなす
中央の階段に白いセーターにジーンズというラフな衣装で舟木一夫が現れた。母によると、いつもは一曲目からスーツを着ているというから今回は趣向を変えているのだろう。
体型にも気を使っているのか、高齢なのにシュッとしていて素敵でしたね。
有名な「童謡」をアレンジで聴かせる
オープニングからは童謡メドレーを落ち着いたアレンジで歌ってくれました。「しょ、しょ、しょじょじ」とか。「ふるさと」とかも歌ってたな。あとの曲は忘れましたが(笑)。やっぱり上手ですよね。当たり前か。
あと個人的な感想ですが、会場全体の音のボリュームがちょうど良く、耳が痛くならなかいのが嬉しい。音が聴きやすい。
若者のバンドとか、ダンスグループとかのライブでは音がデカすぎて耳が痛くなり、集中できないのですが、舟木一夫はそんなことない。
じっくり音楽を楽しむ、コンサートを楽しむってこういうことなんだと満足しましたよ。70代の方だけじゃなく、30代の方も楽しめると思ったわけです。
トークがおもしろい!
さすがベテランというべきか、歌の合間にあるトークが楽しかった。この年代の歌手の方ってお話が上手で安心して聴いていられる。
「高校三年生も75歳になりました!」とかの自虐ネタや、この日の衣装では、革靴を新調して初めて履いたそうで「新しい革靴はすべるから本当は履きたくない!」とか言って、おばちゃんたちから何度もどっと笑いが起きてました。
客いじりが天才
後半、客席にマイクを向けて「さあ歌って」と煽る場面。みんなでしっとり歌ったんですが、いまいちだったのか
「・・・へたくそ!」
と、ひとこと。
ファンの歌声を「へたくそ」って、、、。ファンは爆笑してましたけどね。この距離感、漫談かよ。
お決まり! 「花束とプレゼント」コーナー
25分の休憩の後は第二部がスタート。舟木一夫はスーツで登場した。
しかし、ここからが一番驚いたコーナーでした。
舟木一夫がステージ上で歌いながら、ファンから花束や紙袋を直接受け取っていくんです。ファンは4本ある通路にそれぞれ屈んで並んでいて、次々に舟木一夫にプレゼントを渡していく。この時に、握手して、何かひとこと舟木さんに声を掛けているから、この触れ合いのための花束なのかな。舟木さんは手に抱えきれなくなったら、ステージ上の長机に花束を並べる。
それから、また隣の通路へ行ってまた受け取る。器用なもので歌詞を間違えることもなく、ひとりひとり握手して、受け取って、テーブルに並べていく、のを5曲分くらい?やってた。なんせすごい数のファンが渡すから、ステージ上に用意したテーブルはいっぱいになり、最後には袖に待ち構えているスタッフに直接渡してた。
しかし5曲ほど?用意されていたプレゼントコーナーの時間が終わっても、まだ花束を抱えたファンは列を作っていたんだけど、もうおしまいということで、プレゼントを渡せなかった方々は自分の座席にとぼとぼと帰ってきていた。これは残念、、、
コンサートが始まる前、ドレスを着て化粧をばっちりしたおばさまや大きな花束を持った女性がいて、なんのこっちゃと思っていたんだけど、舟木一夫と握手するためだったんだと悟った。おばちゃんたちにあんなに厚い化粧をさせてしまう舟木一夫の魅力ってすごい。
ファンのおばちゃんたちのパワーに圧倒!
それにしても、隣のおばちゃんは元気いっぱいだった。舟木一夫のトークに全力で応えている。
舟木「テレビで歌ってくれという話もあるんですけどね。75にもなって『高校三年生』もないよなーと思ってしまうんですけどね」
おばちゃん「そんなことないわよ!」
舟木「そうはいっても、一年に一度ぐらいは皆さんに歌をお聴かせしようと思って、テレビ出演も引き受けているんです」
おばちゃん「(大拍手!)うんうん!そうよ!もっと歌ってよ!」
後ろから5列目の席から舟木一夫を励ますおばちゃん、本当に元気。あ、隣に座る席の私にも飴をくれたし。ありがとう。
途中、お気に入りの歌だったのか、舟木一夫とともに熱唱するおばちゃん。その声がおばあちゃん特有の震えた声なんだけど、生命力にあふれた大きな声、、、だったので、私の位置では舟木一夫の声がかき消され、おばちゃんの声しか聞こえなかった。
「私、このおばちゃんの歌を聴きに来たんだっけかな?」
一瞬、私の脳裏に疑問が浮かんだ。
このおばちゃん、休憩中に席を立たれたんですが、足が悪いようで杖をついていました。それまでは元気すぎて、体に不自由があるなんて微塵も感じなかった。舟木一夫のパワーってすごいんだな。
アンコールではファンが総立ちに!
第一部、第二部が終わるまでは、手拍子こそあれ、一度もファンが席を立たなかったコンサート。私はライブでも立ち上がるのが面倒だなと思ってしまうタイプなので、この鑑賞スタイルは気に入っていて、このまま終わるものだと思っていた。
しかし、アンコールの幕が上がると同時に、一斉にすべての客席が立ち上がった。「立てないんじゃなかったの?」とびっくりしたが、今度は舟木一夫がテニスラケットで客席にがんがんボールを打ち込み始めた! そのボールをキャーキャー受け取ろうと叫ぶおばちゃんたち。
この曲は有名な曲のようだった。(私は「高校3年生」しか知りません)中には、客席の後ろの方まで届くボールもあって飛距離がすごい。75歳の体力はだてではない。
大盛り上がり。はしゃぎまくる舟木一夫とファン。「若者かよ!!」と私は思った。
このラストの曲が終わり幕が降りると、ファンのおばちゃんたちは座って一息つくことももなく、そのまま荷物をまとめてさっさと会場を出ていってしまった。あっさりしたものだ。
アンコールは一度だけ。舟木一夫もファンも、余韻も何もない。
大人のスタイルってこれだよ。アイドルのライブとは違うのだ。
舟木一夫とおばちゃんたちに元気をもらって家に帰れるよ!
こんな感じで、みなさんハイテンションでエネルギーがある。確かに髪は薄かったり、足元がおぼつかず階段を昇るのに苦労されている方も多かった。けれど、みんな笑顔で溢れて力強い。
舟木一夫のコンサートは、そんなファンが高齢になっても音楽とトークが落ち着いて楽しめる、まさに熟練者ならではのコンサート。これを毎年届けている舟木一夫はすごいし、それを支えるファンもすごい。
高齢化社会って、こんなに生きるエネルギーにあふれているんだな、年をとってもこんなに元気い夢中になれるなら未来に希望があるなと元気をもらい、帰途についたのでした。
【両親が見てきたのは、こっちの2019年】
たしかに2020年とは曲が違う。飽きさせない工夫がすごいな。
【後日調べてみた】
会場にはCDやDVDが売っていてすごい人でした。限定CDも出してるんですね。
【Amazon.co.jp限定】舟木一夫 スペシャルコンサート2019(CD)(デカジャケ付)
余談: めっちゃ話しかけられた
同じ舟木一夫の会場にいるのだから仲間、という感覚だろうか。トイレの列に並んでいても、すぐに話しかけてしまうのが舟木ファン。知らない者同士であれだけ会話が弾むって、どれだけ幸せなのか。
私が母親のトイレを待ち、ロビーにひとりでいる時は二人組のおばさまに話しかけられた。
「お姉さん! ひとりで来たの?」
「いいえ。母の付き添いです。」
「良かったー!! こんな若いのに舟木一夫が好きなのかと思って」
「父が来れなくなっちゃったので、代わりに私が母と来ました」
「介護だ!?(笑)」
「はい。介護ですね(笑)」
「(爆笑)こんな親孝行な娘さんがいるなんて、私、帰ったら主人に話すわ!」
私のことを報告してどうするのか謎だったが、すごく褒められてしまった。
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