宅建のテキストでは「銀行だけでなく、信用金庫でもこのルールは適用される」とかの説明が出てきますよね。
なぜ突然、信用金庫が出てくるのか、これそんなに大事?と疑問が沸いてきました。
ということで、
どちらも金融機関ということはわかりますが、「銀行」と「信用金庫」は何が違うのか?について調べてみました。
結果、大体こんな感じでしょうか……??
信用金庫とは、
「銀行」と名乗りたくない人たちがつくった「銀行」
呼び方が違うが、やっていることは「銀行」である。
なぜ、こんなややこしいことになっているのか?も頑張って書いてみます。
目次
銀行でよくない? 「信用金庫」は「銀行」じゃないの?
以前、信用金庫(のようなとこ)で働く人と話したことがあります。
信用金庫の業務内容をきくと、銀行のような業務をやっているので、「それ銀行じゃん! 銀行でいいじゃん!」と思ったんですが、信用金庫の人は「我々は銀行とは違う!」と言うんです。
なので、じゃあどこが違うんですか?と思って、さらに聞いてみたら、銀行は金儲けのためにつくられたが、信用金庫は「助け合いのためにつくられた」「思いやりでできている!」と説明されました。
ますますわけがわかりませんでした。思いやりだけで組織をつくる、ってのが具体的にイメージできなかった。宗教団体のようにも聞こえますし。
「助け合いって具体的に何してるんですか?」と聞くと、人にお金を貸しているといいます。もちろんただで貸してるわけじゃないから、利益が出ているわけです。
じゃあ、信用金庫だってお金貸してるし、お金儲けしてるじゃん! 銀行と同じじゃん!(心の声)
以下繰り返し…
こんな感じのやりとりをずっとしていて、当時の私の理解を超えていました。
(私の知識不足、質問の仕方も悪かった・・・)
それからウン年、ふと信用金庫ができた経緯を調べたら、自分なりに少し腑に落ちました…
それが最初のまとめです。
信用金庫とは、
「銀行」と名乗りたくない人たちが作った「銀行」
やっていることは銀行である。
(厳密にはもっとありますよ?)
そう、やっぱり「銀行」なんです、中身は。ではなぜ「我々は銀行です!」と言いたくないのか、
それは信用金庫ができた経緯から見えてきます。
「信用金庫」と「銀行」の因縁!?
信用金庫のルーツである「組合」ができたのは、産業革命のイギリスです。
金持ちと貧乏人の格差が大きくなり、下の人間は苦しい生活をしていたのに、金貸しや銀行は庶民にはお金を貸してくれないんですね。金持ちばかりにお金をまわすから、下の人間はますます貧乏になる。富裕層は金儲け主義です。他にもいろいろ恨みを買うようなことをしていた。(もちろん良いこともしていたんでしょうが)
だから庶民や弱者は、銀行が大嫌いです。
そこで、「もう銀行なんていらねぇ! 貧乏人にもお金を貸してくれる新しい組織をつくろうぜ!」ってなった。
「そうだ、俺たちだけで金を出し合ったグループをつくろう! それなら、みんな平等だ!」
「汚い金貸しとは違う組織だ! これは銀行じゃないから、そうだな…組合って名付けよう!」
とか言っていたのか知りませんが、組合というグループ?をつくってお互いに援助しあうようになった。
この「組合」からさらにいろいろあって、名前も変わって、できたのが「信用金庫」です。
「庶民の味方」が信用金庫
銀行は金儲けのための組織だけど、信用金庫は助け合いの理念でできた、と説明されるのはこの経緯があるため。
中身は銀行。でも、名前は信用金庫。
と、結果的にねじれちゃってるのでわかりにくいんですが、熱い志がある組織なんですね。
信用金庫は「弱者のための銀行」です。
信用金庫が貸してくれるお金は、裕福でない庶民たちが少しずつ出しあって集めたお金なんです。
助け合いの気持ちの塊です。だから、仲間の庶民がお金を借りやすい。銀行で断られるような案件でも審査を通して貸してくれたりする。
銀行に対抗してできたから、「結局、銀行と同じですよね?」とは絶対言っちゃいけない
日本についても、銀行に嫌気がさした人々がつくったのが信用金庫という流れは同じでした。
(・日本はイギリスではなく、ドイツの信用組合をモデルにしている。
・1900年に産業組合法によって「組合」ができて、その後増えまくった組合の中から、「俺たちは他の組合とは違うぜ」と抜けた人たちが「信用金庫」を名乗るようになった
とかあるけど割愛)
今も信用金庫は、弱者に優しい、思いやりのある、公共的な使命のある金融機関としていろいろやっています。
銀行が嫌いすぎて「金庫」とネーミング
ちなみに、日本で「信用金庫」と名乗ることになった時のエピソードからも、銀行憎し!がうかがえまして……
銀と金では、金の方が価値が高い。
だから「銀行」よりも「金」の文字を使った我々「信用金庫」の方が高尚な存在である。
金儲け主義の銀行より、助け合いの精神を掲げている我々こそ「信用金庫」を名乗るにふさわしい!
と盛り上がって決定した名称だそうです。
まとめ:「信用金庫」と「銀行」は違う
ということで、
信用金庫の人に「結局、銀行と同じでしょ」というとわかってない奴だなと思われるので気をつけようと思う。
しかし今も、「銀行と信用金庫は何が違うの?」と思われたりしているのをみると、大嫌いな銀行より目立てていない、追い越せていないということなのかもしれません。やはり銀行の方がそういうの上手そうだもんな……