宅建テキスト「廃業等の届出」の表で気になるのが「破産管財人」です。
「破産手続き開始により廃業するとき、破産管財人が届出義務がある」
一体何者なのか?
「破産管財人」とは「弁護士」のこと。
実際は弁護士がやってるが、建前上は「破産管財人」は誰がやってもいいから。
「破産管財人」=「弁護士」とはっきり書くと「なぜこんな儲かる仕事なのに弁護士しかできないんだ!」と気づいて怒る人がでてくるから…?
あまり触れない方がよさそう・・・
このまとめは飛躍させすぎかなとも思いますが…
破産管財人について驚いたことをメモします。深い世界でした。そりゃあ宅建試験問題も解けないよねという感想でしたね…
破産管財人は敵!?
宅建講義で知った際、破産管財人は正義の味方なのかなと思ってました。廃業した会社を救ってくれるスーパーマン、みたいな。
でも実際そんなのんびりした話じゃなさそうでした…
破産した人の前に現れて、残された家や土地を売ってお金をつくります。通帳とかもチェックしたり、ほかに隠した財産がないかを探しまわる。
(破産した本人が悪いんですが)
破産管財人=「弁護士」と書かない理由は?
宅建講義の補足でまぎらわしいのが「この破産管財人とは弁護士のことです」というやつ。なら最初からテキストに弁護士と書けばいいのに!と思いませんか?
理由を調べてみました。おそらく結論はこちら。
「破産管財人」になれるのは弁護士だけではないからです。(実際はほぼ弁護士がやってますが)建前としては、誰が破産管財人を務めてもいいんです。
ただ、破産管財人にふさわしいのは、法律に詳しい、とかの条件があり、実際は弁護士が選ばれることになります。
堂々と「破産管財人=弁護士」と書いてしまうと他の破産管財人の業務を狙っている人から反発の声が出そうですよね。
背景には、弁護士の仕事が減少しつつある今、破産管財人の業務をしていかないと稼げないという事情もあるようです。
「公証人」問題と似た感じでしょうか。→年収3000万円の公証人は簡単でおいしい仕事。弁護士もやっていいが、実際は元検事や元裁判官だけでまわしている。弁護士には職を譲らない。
法律の世界ってこういうの多いんですかね。(批判されすぎて、近年ようやく弁護士から一人だけ公証人になれた)
脱線しました。では破産管財人に選ばれるのはどんな弁護士なのでしょうか?
破産管財人の選び方は?→どんな人が選ばれる?
破産管財人は裁判所が選びます。「あなたの破産管財人(弁護士さん)は山田さんにお願いしました」とか裁判所がマッチングするんですね。
ではどういう理由で決めるのか? その選任基準は不透明だそうです。(参考記事)
ただ若い破産者には若い弁護士、難しい案件にはベテランとか傾向はあるみたい。ヒマそうとか気が合いそうとかコネとかで決めるんでしょうか。
ただし裁判官の知り合いのその辺の弁護士に頼むのではなく「破産管財人候補者名簿」というリストに載った弁護士から選びます。これは弁護士事務所がつくって裁判所に提出した(売り込んだ?)リストだそうです。
破産管財人が必要なケースは4割
宅建テキストには「破産手続き開始により廃業するときの届出義務者」は「破産管財人」とありまる。
これだと「破産すると必ず破産管財人(弁護士)がいる」ように思いまよね。しかし管理するほどの財産が残っていないなどの理由があれば、破産管財人をつける必要ありません。
全国の裁判所で破産管財人がつくケースは4割。東京地方裁判所だと6割です。(参考記事)
「破産管財人がいない」というのも普通にあるんですね。