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【宅建】木なのに燃えない?「木造→耐火構造とする」とは具体的に何してる?建築基準法

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建築基準法では「木造建築物を耐火構造としなければならない」という文言がでてきますよね。

木は燃えるのに、燃えなくする?

それ、そもそも木じゃなくない? 木使う意味なくない?

具体的に何をしているのかが気になって調べ始めてしまいました。

ざっくりまとめ

木の柱や壁のまわりに燃えない素材をくっつけて、家が燃えないようにしている。=「耐火構造」にしている。

・戦後にたくさん木を植えた(人工林を植えた)が、見込みが外れ、現在木が大量に余ってしまっている。

そこで、国が木材をたくさん使わせたくて、「木造建築物を耐火構造にする」という独特の言い回しを使い始めた

 

はじめ

「安全だから木を使おうよ!」というわけじゃないみたい…

木の家って大丈夫なのかな?

 

では、わかったことを頑張ってまとめてみます。

Q、「木造→耐火」にするって具体的に何してるの?

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そもそも木は燃える素材ですよね。

これを耐火構造にするとは「木材の表面を耐火素材で覆う」ことを意味するそうです。

具体的には「強化せっこうボード」という防火被覆材で柱や壁を覆っている。これは法律が使うように指示してる素材で、ガラスや石でできてるから燃えない

 

実は他にも「耐火構造」にするやり方はいろいろあって、ここにビジネスチャンスがあるから建築会社とかは常に調べているそうです。(詳しくは割愛)

 

Q、別の素材で覆うなら、そもそも木で家を建てる必要なくない?

確かに、こんなに木材をいじるなら始めから鉄骨や鉄筋コンクリートを使えばいいじゃん、面倒くさくないの?と思うが、それでも多くの日本人は木造建築を選んでいるそうです。

その理由は・・・

木造の家の方が全然安く作れる。

鉄骨や鉄筋コンクリートの家より坪単価で20万円安くなることもある。木造にこういう耐火素材をじゃんじゃん使ったとしても、鉄骨鉄筋よりも安く家を作れてしまう。

安全性も問題ない

今の技術なら、「木材を覆って耐火構造にした」家でも、鉄骨鉄筋と同じぐらい火に強い家にすることができるそうです。

家は何千万円レベルの高額な買い物だから、少しでも安くしようという気持ちが働きますよね。

木材の優しい雰囲気やデザインが好き。

とかが木の家を選ぶ理由だそうです。

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F. MuhammadによるPixabayからの画像

「木材の利用を促進するため」建築基準法を改正した。

令和2年の宅建試験では、建築基準法の改正点も出題範囲です。

今回の改正では「耐火構造にしなくてもいい木造建築物」が増えています。

気軽に木造の家を建てられるようになった。 用途変更しても改修費用はかかりません。

 

Q、なぜ法律は「木材の利用を促進する」ことにしたのか?

 

話は戦後までさかのぼります。

戦後、これからはもっと木材が必要になると思って、たくさん木を植えた。

ところが時代が進むと、耐震性などが注目され鉄骨や鉄筋コンクリートが人気になってきた。現代では木材が使われなくなってきた。

しかし森には木がいっぱい生えている。植えちゃったから。あまってしまった。

切れないから次の木が育たない。森が荒れ始めた。林業の人もピンチだ。

・・・そうだ、木材をもっと使ってもらおう。

 

公共的な建物は、木で建てなければならない、という法律をつくった。

庶民向けにも法改正。これまでは木で家を作るのは危ないから、厳しくチェックしていたが、

もうチェックはしない。どんどん建てて良い。補助金も出すし。

木はそもそも燃えやすいから、木材を燃えない素材で覆って耐火構造にしたい!って言われても認めてなかったけど、OKにします。

木造を耐火構造にしていい。 ていうか、どんどんしてください。

さぁみんな、もっと木材を使おう!

 

めちゃくちゃ意訳です。

 

詳しくて正しい説明は林野庁のHPとかでご覧ください。

我が国では、戦後、造林された人工林が資源として利用可能な時期を迎える一方、木材価格の下落等の影響などにより森林の手入れが十分に行われず、国土保全など森林の多面的機能の低下が大いに懸念される事態となっています。 ~~

公共建築物にターゲットを絞って、国が率先して木材利用に取り組むとともに、地方公共団体や民間事業者にも国の方針に即して主体的な取組を促し、住宅など一般建築物への波及効果を含め、木材全体の需要を拡大することをねらいとしています。

「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」林野庁

 

過去の非木造化の考え方を、公共建築物については可能な限り木造化、内装等の木質化を 図るとの考え方に転換

林野庁 「基本方針の主なポイント」

(この前の2000年には建築基準法改正により、性能規定化耐火建築物であっても木造で建築することが可能になっていた)

「木造建築物を耐火構造とする」 言い回しの違和感が判明!?

日本中で木があまっている、燃えやすい木材は燃えない鉄骨より人気がない。しかし木を使ってほしい、という気持ちから編み出したのが「木造建築物を耐火構造とする」という表現なのでしょう。

法律をつくった人の気持ちを思うと少し納得です。

 

不思議な表現だなとずっと気になっていたんです。

切れないダイヤモンドをつくろう!みたいな。

いや切れるからダイヤモンドだし! それたぶん、もうダイヤモンドじゃないし。

みたいな。(うまく例えられてないけど)

・・・ぶつぶつ

 

余談

驚いたのは、日本ではまだまだ木造の家が主流だということ。最近の若者は、鉄骨や鉄筋コンクリートを土台にしてるのかと勝手に思ってた。木造って聞くと、山小屋とか武家屋敷とか、三匹のこぶたの2番目のお兄ちゃんが作った家というイメージを持っていた…

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そういわれると、近所の建築中の家の骨組みは木材だったな・・・ 失礼

 

 

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