宅建・建築基準法での頻出ポイント
高さが31メートルを超える建物には、非常用昇降機を設置しなければならない
この「非常用昇降機」は、いわゆる「普通のエレベーター」のことだと信じてました。
…勘違いだったんです。
「非常用昇降機」とは、災害時に消防士さんが使うための高性能エレベーター。
いわゆる普通の乗客が乗るタイプとは全然違う。
別の案件を調べていたら、たまたま発見しました。
ついでに、31m × 非常用昇降機 の覚え方(語呂合わせ?)もご紹介します。→「最高のエレベーター」で覚えてます。
目次
「非常用エレベーター」と「普通のエレベーター」の違い解説
「昇降機」とは「エレベーター」のことです。
ですので「非常用昇降機」とは「非常用エレベーター」をさします。
(※ 昇降機は「エスカレーター」をさす時もあります)
「非常用エレベーター」はいわゆる「普通」のエレベーターとは違います。
イラストをご覧ください。
引用:日立ビルシステム
そもそもマンションに数種類のエレベーターが混在しているなんて…。よほど注意していないと気づかないんじゃないでしょうか。
エレベーターを製造している会社から引用しましたが、恥ずかしながら初めて知りました。
「非常用エレベーター」の目的は?
非常用エレベーターは災害時の利用を想定して製造されています。消防隊が消火や救出活動をするための設備。
見た目が大きいだけでなく、火災や地震でも動くよう「普通のエレベーター」にはない独自の機能がついている。
例えば「消防運転」。非常時でもエレベーター内の専用パネルで消防士さんが操作できますし、ドアが開いたままでも動かすことできます。予備電源があり停電でも動きます。
宅建頻出「非常用エレベーター」。でも設置は大変
これほど心強い非常用エレベーターなら、31mを超えるマンションだけでなく、すべてのマンションに設置すべきだ、と思うでしょうがそう単純にはいきません。
いざ1台設置するとなると、満たさなければならない基準が建築基準法にあります。
・災害時、救出作業がしやすいようにエレベーターホールを広くする。
・煙がまわらないようにまわりに耐火構造の壁をつくる
・排煙装置をつける
・非常用電源を設置する
・エレベーターの扉が開いたままでも動く
・エレベーターを入れる地下スペースが必要。 など
建設費用がとんでもないことになります。
不動産業界では「マンションを建てるなら、31m以内におさえるべき」とアドバイスしています。大体10階建て→11階建てになるあたりがボーダーになるそうです。
引用:日立ビルシステム
ちなみにエレベーターの種類はたくさんある
今回、地味に驚いたのが「非常用エレベーター」と「普通のエレベーター」は違うということでしたが、これはほんの一例でした。
世の中には実に何種類ものエレベーターがあるんですよ。
・高速エレベーター、超高速エレベーター
・荷物用エレベーター
・料理を運ぶ小荷物専用昇降機(ホテル、レストラン、病院で使用) など
引用:FUJITEC
もう「マツコの知らないエレベーターの世界」状態です。かしこくなった。
おまけ。 31m × 非常用昇降機 の覚え方(語呂合わせ?)
31mを超える × 非常用昇降機
→31m × 非常用エレベーター
→さいこうのエレベーター
(31こうのエレベーター)
非常用エレベーターをつけてくれるなんて最高ですよね。
まとめ
「非常用エレベーター」という災害用の高性能エレベーターがこの世にあることを知った。
いつも乗っている普通のエレベーターとは全然違って、消防士さんたちが使っているんだと知りました。
ここから余談:なぜ宅建では「エレベーター」ではなく「昇降機」なの?
なぜ宅建試験では「エレベーター」ではなく「昇降機」と書くのかというと、建築基準法で「非常用昇降機」と書いてあるからです。
日本の法律では、基本的にカタカナ語は使いません。いくらカタカナが自然で伝わりやすかろうと絶対に絶対に「日本語」で表現しようとします。
例:インターネット取引 → 電子取引
この慣例については批判もあります。
しかし法律を実際に書いている偉い人が「カタカナを使うとその現象を定義しきれない」「解釈の違いが生まれて争いのもとになる」とかなんとかいって、絶対絶対に法をカタカナで書くことは認めないそうです。(→詳しくは忘れました)
思い出の予想模試問題集
初めて宅建受験を受けた年に、初めて買った予想模試。解いて見たら18点とかで衝撃を受けて…そこから繰り返して宅建満点取れました(この受験年は落ちましたけどね…)
それから3回受験しましたが、宅建業法満点だったのはこの時だけ。字が大きくて読みやすかったし、素直にたくさん復習したからでしょう。
今でも本屋で、最新版を発見するとパラパラめくってしまう。(懐かしい…)