【ITパスポート】違いで解ける?「実用新案権」と「特許権」。見分けるコツある?

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ITパスポートのテキストでまぎらわしいのが出てきた。

テキストでの説明

特許とは 「発明であれば、物品の形状、構造、または組み合わせに

関わらないもの(例えば素材そのものや方法)でも可」

 

実用新案とは「物品の形状、構造、又は組み合わせに関わるものに限定」

文章だけ読んでも何が違うのかわかりません。

「どっちも特許で良くないか?」「実用新案権っていらなくない?」と思っちゃって手が止まってしまいました。で、意味不明なので調べてみました。

すると、そこは触れてはいけない大人の世界が広がっていたんですよ。

「実用新案権っていらなくない?」をちょっと調べた結論がこちら。当たってました。

結論

特許権があればOK。 実用新案権はいらない。

もうちょっと踏み込んで書くと

「実用新案権」は法改正され、「役に立たない権利」となってしまった。

当時「ややこしいから実用新案権は廃止しよう!」と言われたがうやむやになり、

今となっては一般人とITパスポート受験者を混乱させている。

 

特許に詳しい専門家(弁理士さん)の間では常識なんだそうです。

「特許権と実用新案権どっちを取得した方がいいかな?」という相談があると

「実用新案権はカネと時間のムダ、やめとけ。特許権にしとけ」と答えるくらい実用新案権はムダなもの。

ではなぜ、こんな役に立たない権利がいまだ存在し、

しかもITパスポート試験のテキストに書かれているのか不思議ですね・・

 

実は「実用新案権」を取得することでメリットがある(メリットにしてしまう)人々がいるんですよ、一般人の無知につけこんで得してる人たちが。

世の中怖いですね。

このへんのこともせっかく調べたので、初学者の私のために私がメモしておきます。(ここから先は試験範囲じゃないですな)

「実用新案権」は誰でも取得できちゃう。でも、「パクるのやめろっ!」って訴えたりできないからムダ!

実用新案権は特許権と比べると、すごく弱い権利なんです。

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何がどうして弱いのか、ざっくりまとめるとこちら。utility-model-rights-2

 

実用新案権は審査がないんです。書類を出せばすぐに取得できます。(大体6カ月程度でとれる)。しかもわりかし簡単な内容でいいです。

一方の特許権は「厳しい審査」をパスしないと取得させてくれない。書類を何枚も出して、文章も詳しく書いて新規性やらなんやらのチェック項目をクリアしてようやくもらえる。3年~5年ぐらいかかる。時間も手間も金もかかります。

 

すぐ取得できるなら実用新案権いいじゃん!最高じゃん!とはならなくて、簡単だからこそ、弱い権利しかないんですね。厳しい審査の特許権をパスした人の方が「すげー!」ってなるのは当たり前です。

 

さらに実用新案権の何がダメって、肝心な時にこの権利を使えないんです。

例えば、「商品のアイデアを誰かにパクられた」とします。

特許権を持っていれば、「何パクっとんじゃ!うちの商品のアイデアを盗むのはやめろ!」と言ってやめさせたり、なんやかんや主張できるんですね。

しかし、実用新案権だとできない。(正しくは「実用新案技術評価書」というのを書いてもらえばできるんですが、ざっくり説明するため割愛します)

下手したら、逆にパクられた相手から「難癖つけてんじゃねーぞ!」と損害賠償されることもある。法律で「実用新案権持ってる人になんか言われたら逆に損害賠償してもいいよ!」となってるからです。特許権ならこの「逆に損害賠償される」ということはありません。法律が認めてない。

 

この手の知的財産系の権利は「パクり商品が現れた時に戦える」という目的で取得するんですから、パクられても文句言えない実用新案権って微妙ですよね。

それでも、実用新案権を取得しようとする人がいる!

実用新案権は意味ないとされていますが、あえて取得しようとする人たちがいるんです。彼らにとっては「メリットがある権利」なんです。

「実用新案権は持ってても使えない」「取得が簡単すぎる」といいましたが、これは専門家の間の常識であって、普通の人はそんなこと知らないんですね。

だから「実用新案権持ってる!」と言えば素人は「すげーーー!」って思ってくれるんです。ここを利用するわけです。

こんな人たちにとっては都合が良い権利

製品カタログとかネット販売とかで商品に「実用新案登録済み〇×▼□」と表示されてるのを見かけませんか。なんか良さげな商品に見えますよね。それです。

 

社員「商品作ってみたけど、正直、特許とれるほどの出来じゃないよなー。でもなんかすごそうに見せたいな」

⇒「そうだ! 実用新案権とろう!」

 

会社の上司から「この新商品、発売日決定したぞ! 宣伝プランを考えろ!」

部下「アピールポイントないなぁ」

⇒「そうだ! 書類だけですぐに権利がもらえる実用新案権をとろう!」

みたいな使い方。一応、商品としての体裁が整う。雰囲気づくり・・・? 「無知な一般人へアピールすう手段」としては意味があるわけです。広告戦略ですね。

なぜ「実用新案権」はつくられた? なんで現在もあるの?

 

現在、宙ぶらりんな権利と化している実用新案権だが、もともとは役に立っていた。

実用新案権は、明治38年に制定されました。戦争が終わり、日本ではたくさんの物をつくるようになってきたので、政府はアイデアを保護する権利をつくることにしたんです。

で、ドイツのマネをして「実用新案権」をつくった。最初は審査を通過してもらえる権利でした。

でもいざ始めてみたら、日本の製品はあまりにクオリティが低くて権利をあげられる状態じゃなかったんです。権利あげたいのに、あげられる商品がない。

だから「ちょっとでも工夫が感じられたら審査を通過させてあげるよ!」「ドイツの基準と比べたらイマイチな商品でもあげちゃえ!」と審査のハードルを低くした。

みんなが実用新案権を取得できるようになりました。

作り手たちは創作意欲が沸いてきます。じゃんじゃん物をつくるようになりました。めでたしめでたし。

うまくいってたんです。当時の日本の実情に合う制度でしたから。

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