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【宅建】「相殺」の疑問。そもそもなぜお互いに債権を持ってるの? 具体例とは 

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「相殺」でいつも不思議に思う例文があります。

 

謎の例文

交通事故で怪我を負わせてしまったが、その相手が自分に対する債権を持っていた場合

 

これはつまり・・・

車を運転中に人にぶつけて怪我をさせてしまった。

慌てて車を降り怪我させた相手の顔を見たら、つい先日お金を貸してもらった知人でした。

ということでしょうか・・・

 

・・って、そんなことあるけ???

 

具体例のイメージが違うのでしょうか。

 

はじめ
・・・違うんでしょうね。

ということで、この相殺の前提条件である「相手が別口で債権を持っていた場合」というのがどんな状態をいっているのかを調べてみました。

 

ざっくりまとめ

お互いに債権を持っている場合とは

お金を貸していた相手がお金を返してくれないので、頭にきて殴ってしまった。

すると相手にも「怪我の治療費としてお金を請求する権利(損害賠償請求権)」が発生してしまった、という状態。

 

・・・泥沼ですね。

 

冒頭の交通事故の話から外れてしまって申し訳ないです。過去問にあるような交通事故の現実の事例を見つけられませんでした。(そもそも存在するのかな?)

 

相殺の具体例はいくつもあったんですけど、

今回は宅建試験に出やすい論点ということで「損害賠償請求権」がらみの相殺例で覚えることにしました。

 

あの「相殺できない」関係図・・・あの意味がわかった

 

宅建試験でよく出る重要ポイントがこちら。

 

加害者からは相殺できない。

(=不法行為によって生じた債権を受動債権として相殺することはできない)この相殺は禁止。

 

さて、この説明の時にでてくる「相殺できない例」の関係図がこちらです。offset10

これってどういう状態なのか・・・想定場面がわからなかったんです。

が、こちらで見かけた具体例「お金を返さない相手を殴ってしまった場合」であれば納得できたんですよね。

 

具体例をあてはめてストーリーを想像してみる

 

そもそも、右の女性がお金を貸していたんですね。嫌々貸していたんでしょう。二人は金の貸し借りがある関係でした。

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右の女性は、貸したお金を返してもらう権利である「貸金債権」を持っています。

しかし数か月待っても返そうという気配がない。ある日、女性は「そろそろ借金返しなさいよ!」と相手女性の家を訪問。しかし、のらりくらりで返そうとしない。

で、頭にきて殴ってしまった。しかも怪我をさせてしまった

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その結果、「加害者」と「被害者」の関係になってしまった。

さらに「被害者」となった方は怪我をさせられたので「損害賠償請求権」を手に入れることができるんです。「治療費よこせ!お前こそ私にお金を払え!」という権利ですね。

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お互いに債権を持っている状態になってしまいました。これがあの冒頭の図です。

 

これまで「借金」関係だけでもややこしかったのに、さらに「加害者被害者」関係も加わり、

余計ややこしいことになってしまった2人だよ、の図だったんですね。

 

さて、ここで先程の宅建テキストの重要ポイントの話に戻れます。

「加害者からは相殺できない」ですよ、という話ですね。

(=民法:不法行為により生じた債権を受働債権とする相殺は禁止)

 

重要ポイント「加害者からは相殺できない」

について、確認してみます。

 

そもそも「相殺できる条件」とは・・・

 

そもそも「相殺する」ためには同じ種類の債権である必要があります。

この例では一見すると、二人の債権は違う種類に言えますが、「損害賠償請求権」も「貸金債権」も実は同じ「金銭債権」という種類(グループ)なんです。

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だから、同じ種類の債権なので相殺できる、ということになるんですが・・・

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しかし、不法行為(暴力的な行為等)によるものは「相殺できない」

 

民法では、人を殴るなど「暴力で発生した債権」を加害者から相殺してはいけない、としています。

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この例では、殴ったことで被害者がケガをして損害賠償請求権が発生しています。

殴った加害者側から「今はお金払わなくていいよね。借金チャラにするからさ!」とは言えない、ということになります。

 

禁止の理由

法律が加害者からの相殺を禁じている理由は、

●被害者は借金してるくらいなので、そもそも病院行くお金なんて持ってない。今すぐ現金でもらわないと困る。

●加害者に「借金をチャラにすれば合法的に殴っていいなら、また殴ろうかな」と思わせないため

だそうです。( また殴ろうかなって、まじか?? )

ちゃんと書くと

 

・被害者に現実の弁済を受けさせて保護を図る

・債権者による不法行為の誘発防止

 

のため。

 

令和2年から「相殺」には改正点がある

 

しかし相殺には民法改正が入って令和2年の出題範囲になってます。

ざっくり改正点

これまで「不法行為の損害賠償請求権」の相殺はなんでもかんでも禁止されていたが、軽いやつ(物損事故等)なら相殺できるよ、となった。

気になる方はこちら↓の方がわかりやすいです。

今後は,車をぶつけてしまった修理費などは相殺できるようになりましたし,
医療ミスや労災で損害賠償責任がある場合に,
相殺はできず実際にお金を支払わなければならなくなります。

相殺禁止に関する法律の改正

 

まとめ

「相殺」の図を見る時は「借金をした人が返さないことに腹を立てて殴ってしまった場合」とすれば理解がすすむ

 

 

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