宅建の免許・登録の欠格要件で出てくるあの「表」・・・
5個の罰が並んでいて、どれが免許を受けられないのか、まとめ方がわかりやすいんですよね。
なので試験問題の解き方はわかるんです。
「罰金より下にあるやつ(拘留・科料)なら免許を受けられる」
しかしですね・・・この表を見てるとすっきりしないことがあります。
表には続きがあるのか? 抜粋してるだけ? どこから来たのか?
気になってモゾモゾしてきたので調べてみました。
Q、この表って一体なんなのか?
⇒「刑法」の話をしているんです。
Q、この表には続きがあるのか? どこから来た表?
⇒項目は、全部で6種類ある。だから6以上はない。
死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料、の6個。(死刑が書かれてないテキストもある)
これらの「単語」は刑法の条文に書かれてるのを写してきたもの。
Q、この6種類にはどんな意味があるの? どう使ってる?
⇒悪いことをした人にどう償ってもらうかは裁判官が決めるが、その都度オリジナルで罰を与えるのではなく、この「6種類のメニュー」(6種類の刑罰)の中から選ぶ決まりになっている。
これらは「刑法」の話なんですね。
宅建業界がオリジナルでつくったものかと思ってました。
それに刑罰って、6種類しかなかったんですね。知りませんでした・・・
あの表は、刑法第9条「刑罰の種類」から写してきたもの
悪いことをして裁判が開かれ、最後に有罪と決まったとします。
この時に「あなたは有罪なので〇〇して償ってください」と裁判官が伝えますよね。
この〇〇、どのように償ってもらうかは裁判官が好き勝手に発明するのではなく、すでにある6つのメニューから選んで決めることになっています。この6つを主刑と呼ぶそうです。主刑の中から裁判官が選んで言い渡すルールなんですね。(あと附加刑として「没収」というのが1つありますが割愛)
刑法第9条に「刑罰の種類」として書かれています。
(刑の種類)
第九条 死刑、懲役、禁錮(こ)、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする
宅建試験がオリジナルで始めたものではなく、刑法にのっとり「6つの刑罰がある」=「全部で6つしかない」のをみんなが知ってる前提で説明していたんですね。
テキストの中には「死刑」が省かれて、「懲役」の説明からしているのもありますが・・・
というか、「刑法の話をしているのだ」とわかってすっきりしました。
試験頻出 「5年」の謎が解けた!?
宅建の学習をしていると
「5年を経過しない者は、免許を受けることはできない」
「免許申請前5年以内に~免許を受けることはできない」
「届出の日から5年を経過しない者は~」
など、やたらと「5年」というキーワードが出てきますよね。
刑法についてあれこれ読んでいたら、あることを発見しました。
5年は、刑法の「執行猶予」でも重要な期間として出てくる数字なんです。
(刑の全部の執行猶予)
第二十五条 次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
「5年」が使われてますね。
執行猶予で最長の猶予期間が「5年」。最も罪が重い時にでてくる年数なんです。
これらにならって、宅建業法もつくられているのではないでしょうか。(予想)
・・・そう思うことで試験勉強に戻ります。
まとめ
・あの欠格要件の表は「刑法第9条」からつくった
・刑罰の種類は、この6種類で全部。
続いて、ここで気になった「禁錮」と「懲役」の違いを調べてみました。
違いで覚える「禁錮」と「懲役」。「禁錮=刑務所で労働しない」って何?なぜ?